「えっ?!」
と口から思わずこぼれ、クラクラしたワタシはしゃがみ込んだ
「うりずんねぇ~、母ちゃん名護行くからあんたの車と
母ちゃんの車交換しよう。早く出るからすぐ来てよっ!!」
ものすごい二日酔いの朝、そんな電話でたたき起こされ
相方のお弁当を詰め、顔面蒼白のまま家を出た
うちの母ちゃんは遠出する時はなぜかワタシの車を使いたがるのだ
すぐ近くの実家まで行き車の鍵を渡し、そのまま相方を職場まで送った
その間も気分はものすごく悪く、まちがったら大変マズイことになりそうなくらい。。
帰ったらすぐ寝よう、すぐ寝よう・・・
そうすれば体調もちょっとは回復するはずだ
まぁこんなにひどい二日酔いをするくらい飲まなければいいのですが
それは翌日になってからしか分からないもので
飲んでる時はよっぽどでないと控えられないのです(--;
早く(家に)着け~、早く。。。ダジゲデクデェ・・・(><)
幸い土曜日の朝だったこともあって結構スイスイと自宅に到着できました
車のエンジンを止めて、キーを抜いて
ささっ、すぐ寝るぞ、すぐ寝るぞ、すぐ・・・んん?
んんんん?????
ないっ!家の鍵がなぁぁぁぁぁぁい!!!
そうだ、今朝母ちゃんと車を交換したときに家の鍵をつけたまま貸したんだ
二日酔いのせいでそんなところまで頭が回らなかった。。。
で、冒頭の状態になったワタシ
えぇぇ、どうするべき家に入れないなんて
こんなに気分が悪くてもう動きたくもないのに
とりあえず相方に事情を説明するために電話をかけた
「えっ?そうなの?今からこっちに鍵取りに来る?」
「いや、その体力はないです。。。」
「だよなぁ・・・・そうだっ!
隣のヒトにお願いしたら?」
「隣のヒト?」
「うん。ベランダから入れないかなぁ?!」
「ああ、ベランダね・・・」
「べ、べらんだぁぁ?!うちは4階だわよ。
さすがに危ないでしょう!!」
「だよなぁ。。。」
「分かった。どうにか考えるから電話切るね。仕事中にごめんよ。」
ベランダ、ベランダ、ベランダかぁ・・・
ピンポーン♪
「はーい」
「すみません。あのぉ隣の者ですが・・・」
「ああ、はいはい。おはようございます^^」
「あの~、すみませんが
ベランダを使わせていただけませんか?」
「えっ?
ベランダですか??」
「はい。鍵を持っていなくてですね。もし渡れそうなら
こちらの
ベランダから家に入れないかなと思いまして」
「あぁ、そうですか。どうぞ、どうぞ^^」
「ほんと、すみません。」
ワタシはサンダルを手に持ちお隣さんの部屋を突っ切ってベランダに出た
「大丈夫ですか?」
「これなら大丈夫そうです。どうもありがとうございます」
せ~のっ!おりゃっ
ワタシは少し反動をつけて手摺に上半身を乗っけた
見ないようにしても下に広がる景色がイヤでも目に入った
こりゃ~、落ちたら完璧・・・だな
なんて思いながら、足を手摺の上に引き上げた
それから手摺の上に立ち、部屋を区切っている壁の上部に手をかけ
ゆっくりと体を外側から回し、飛び降りた
ずさっという音とともに自宅のベランダに着地した
「どうもすみませんでした。助かりました。
ありがとうございますm(_ _)m」
「いえどういたしまして^^」
お礼を言った後、手摺に近づき下を覗き込んだ
やっぱ、高いな、高すぎるな・・・
ありえね~な・・・
何だか手が痛いな
見るとコンクリートの手摺でかすった手のひらが切れていた
奮闘の証なんですかい。。。なんて思ってしまった
しばらくして相方から電話がかかってきた
「大丈夫?どうするの?」
「。。。隣のヒトにベランダ使わせてもらった・・・」
「え??マジで?!マジでやったの?すげー
ありえないなぁ、ほんとにやるとは!爆笑~
笑わすなぁ~、あ、ダメだ。想像するとおかしくてお腹イタイ」
「はい。やってしまいました。。。」
その後、夕方まで曝睡してすっかり体調もよくなりワタシの一日は終わりました
今でも洗濯物を干しながら下を覗くことがあるのですが
泥棒はこんな高さくらいじゃ恐くないのかしら???と思うのです